『ウサギがおちた夜』
よい子に見上げられ餅をつきゃいい
まん丸お月様
よい子を見下ろす夜のこと
ウサギは心が跳ねたのさ
愛しさを滲ませた
あの人の視線に気がついて
ウサギは思わず跳ねたのさ
小さな胸を熱くした
自分自身に驚いて
愛されて愛してて
月のウサギは踊りだす
あの人に見えるよう
その想いが伝わるよう
どれだけ止められても
月のウサギは堕ちてった
「あの人を愛してる」
「あの人に愛されている」
愛されて愛されて
愛してて愛してて…
愛されて愛してて
月のウサギは落ちてった
あの人の腕の中
しあわせそうに餅を食む
月のウサギがおちた夜
fin
沙久