『それはまるで傾きを保つシーソーみたいで』

 

白い  白い冬が来た
君との思い出 ポケットの中
手でなぞれば温かかった

長い  長い息をついた
頬を濡らした涙も全部
この寒さに凍えそうだった

振り向けば足跡  私達の軌跡(きせき)
今はもう一人分しかないね

手のひらに落ちたこの雪のようにすべて溶けてしまえばいい と
何度思っただろう
君がいないこの世界になんの興味も持てない
夢の中で二人  笑いあうたびに心は泣いて
忘れることも出来ないのに傷ついたりして
君を失った「私」は なんて脆(もろ)いんだろうか

“誰か”に向かって伸ばした手は温もりに触れることもなく
消えてくれない現実だけをしっかりとつかんだ

踏みしめた大地が たとえ思い出だとしても
私は生きていくからね

もう一度小さく振り返る
それでも足跡は  一人分しかなかった

 

fin
…………………………………………
以前アップしたものみたいに色つけるとかそーいう工夫を最近してなかったなあと気づく今日この頃;;
テスト前なのでまたしばらく顔が出せません…

 

(2011/2/13 加筆修正)
沙久