『無限アリス』

 

 

「あなたはだあれ」

 

君の瞳の中
無限に巡る アリス
捕らえられたのは
君か あの子か

 

見つめあったの シルクハットの奥
白の手袋越しに
伝わる体温
お茶菓子のように甘やかな
その視線に引きとめられて

 

震える鼓動が 時計とシンクロする
落ちていくのよ
君の心へ
悪戯に惑わす道案内
追いかけて辿り着くのは

 

想いと尻尾が 愛しさに揺れる
気まぐれなのね
君の愛は
優しさのフリした囁きは月下で
身をゆだねたそのあとには

 

指先の赤 笑みをつくる紅(べに)
胸が張り裂けそう
背徳の夢
薔薇の香りに満ち足りた
君の花園で秘め事を

 

 

また会える日があるのなら
それは無限なループの中で

何も覚えていない その唇から
同じ言葉で始まるの

 

 

「あなたはだあれ」

 

fin
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きっと何度も、何度だって不思議の国に迷い込んでいるのに、その度に以前の記憶をなくしているアリス。
何度だって誰かと恋に落ちて、だけど彼女にとってそれはいつも初めてのこと。
いつかまた。自分の元へ、同じ言葉をもって現れるその日まで。そうやって彼らはずっと待ってる。
そんなイメージでしょうか…。ちなみに帽子屋・時計ウサギ・チェシャ猫・女王が登場しとります。

 

思いついたきっかけが、乙女ゲームだなんてどうかと思うけど(笑)
ほら、エンディング見たらそれぞれとの関係を全部リセットしてスタートし直すから…。

 

沙久