『孤独が描いた夢の向こうに』

 

残ったのは記憶 失くしたのは…

雨の日のアスファルト 水溜りの中には自分ひとり
誰かが忘れていった傘と 僕しかいない
夕焼けを探しに行った頃が懐かしい
いろんなもの見落として それなのに手を伸ばして
結局掴んだものは何だったんだろう
かざした両手 眺めるけど

残ったのは記憶
亡くしたのは 誰

手作りカミヒコーキ 雨の中の雫の中に飛ばしてみる
誰かが忘れていった心に 届けばいい
いつの日か「今日」が懐かしくなる前に
抱え込んだつもりで 何も見えてないのに
結局僕の中身は空っぽだったんだろう
そっと後ろを振り返るけど

残ったのは記憶
失くしたのは 君

かざした両手 眺めるけど

失くしたのは  僕…?

 

fin
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かたまりごとにできるだけ同じ文字数でそろえてある詩。
誰か曲をつけてくれ(笑)
君を探していたはずなのに、本当に無くしていたのは自分自身だった…というような感じ。

 

(2011/2/15 加筆修正)
沙久