『果てしなき旅人の夢の最後には』

 

堕ちた果実はいらない
熟れすぎた幸福(しあわせ)なんて足手まとい
「夢」「きぼう」「シンジツ」どこの引き出しにしまったままか?
僕らにはもう見えもしない

軋む心の音がする
空へ溶けた道の果て
数えていた足跡も
苛立たしげに弾けてく

さよならを言うのは誰のため
僕は靴ひもを結び直す
「愛して」と泣く君に
「アイシテタ」と嘘をつく

どこまでいけば終わるのか
気がつけば一人旅
見上げた夜の光一つ
君もひとりきりなのか

何もかもやり直せば
“またあの笑顔を傍に”
全てを捨てたつもりで
この手に残ってた「さみしさ」

果実で手を汚そう
道を描き直そう
ごめんねと言おう
振り返った時にはもう
君は覚めぬ夢の中

二度目のさよならは言わない
二度とあいしてると言えない
紅(あか)にまみれて旅を終える

もうひとつ残っていたのは
最期に流れ落ちた涙だった

 

fin
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哲学の時間に思いつきました。授業内容にいっさい関係ありませんが(え
一応ストーリーにしてみたんですが…わ、わかりにくい;;
最後に旅人が死んでしまった「君」を追って命を絶ってしまうのは確かです。
俺にもちょっとわからないのは、「アイシテタと嘘をつく」ていうのは、愛してたことがうそなのか…過去形であることが嘘なのか…あなたはどちらだと思いましたか?

 

(2011/2/15 加筆修正)
沙久